踏み込んだ条件で ワタミの過労自殺が和解

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居酒屋チェーンワタミの子会社社員が過労自殺したのは会社の責任だとして遺族が起こしていた訴訟で、和解が成立した。一般的にこのような訴訟では、被害者である原告側に支払われる損害賠償額に注目が集まりがちだが、今回の和解内容には被害者のみならず、その他の従業員に対しても弁済する内容となっている点で注目されている。会社指定の図書を購入させ賃金から代金を控除していた件については、該当する新卒社員全員に代金を返還する、研修会やボランティアという名称で、実際には会社が出席を指示したものについては、要した時間分の賃金を当時在籍していた新卒社員に支払うことなどが盛り込まれている。

また、過重労働再発防止策についても詳細に記載されているほか、今後の社員募集については就労実態を正確に説明することも加えられている。当初、会社側に法的責任はないと争う姿勢を示し、元社長も自社の正当性を声高に主張するなど、遺族の感情を逆なでするような対応に終止していたが、ついにその責任を認めて和解に至った。

和解に至るまでに同社のイメージは著しく損ない、業績も低迷している。ブラック企業やその結果の過労自殺は社会が許さない状況となっていることは間違いないだろう。