海外生産、円安下でも増加 中小製造業の取引先―日本公庫
日本政策金融公庫が行った中小製造業の取引先の海外生産とその影響に関する調査で、中小製造業の主な取引先の海外生産は円安下でも増加したが、中小製造業の半数は受注減少等のマイナスの影響を受けていることがわかった。 それによると、中小製造業の主な取引先の54.5%、5割強が海外生産を行っている。24年11月以降の円安の状況下でも61.3%が海外生産量を増加させた。今後も増加が見込まれる。 半面、国内生産量は「減少」見通しが38.2%と「増加」見通しの21.8%を上回り、減少の勢いが増す方向にある。海外生産実施取引先を持つ中小製造業では4割強が自らも海外生産を行っている。主な取引先が海外生産をしている中小製造業の49.1%、半数が受注の減少や現地調達品との価格競争などの「マイナスの影響がある」と回答。 そうした中、海外生産を行っている中小製造業では、現地調達化を進める取引先からの受注確保や海外市場の独自の開拓など、海外需要の獲得により打開を図ろうとする取り組みが見られる。円安の影響については、「輸出比率25%超」の企業では5割弱が業績に「プラスの影響がある」と回答。「輸出比率25%以下」「輸出なし」の企業では4割弱が「マイナスの影響がある」と答えた。