ハイブリッド型年金制度導入へ 会計上は債務認識しない方向

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企業会計基準委員会は確定給付制度の新たな仕組みである「リスク分担型DB」に係る会計上の取扱いの検討を開始することを決めた。リスク分担型DBとは、現在厚生労働省が検討しているもので、確定給付制度について運用リスクを事業主と加入者の双方で柔軟に分け合うことができるハイブリッド型の年金制度のこと。今年6月に閣議決定された「日本再興戦略」改訂2015にその導入に向けて検討する旨が明記されていたものである。

退職給付会計基準上、リスク分担型DBは、「確定拠出制度」「確定給付制度」のいずれに該当するかは今のところ不明。国際会計基準では、給付算定式のある確定拠出制度であっても、企業に追加拠出を求めないものは確定拠出制度に区分されるとの取扱いがなされている。

仮に日本でも確定拠出制度に該当することになれば、会計上は債務認識を要しないことになる。また、税制上の取扱いも平成28年度税制改正で手当てされる見込み。確定拠出制度と同様、掛金を損金に算入することが想定されている。会計上及び税務上の取扱いが確定することになれば、確定給付制度を採用する企業の多くがリスク分担型DBに移行することも想定される。