原審に続き上告を棄却―最高裁 納税告知事件で都の敗訴確定

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地方税法11条の8の規定に基づく第二次納税義務の納付告知の可否が焦点となった事件で最高裁第二小法廷は、裁判官全員一致の意見で原審に続き上告を棄却。納付を告知した東京都の敗訴が確定した。

当該事件は、A社が都知事からB社を滞納者とする都税に係る徴収金について地方税法11条の8の規定に基づく第二次納税義務の納付告知を受けたため、A社を吸収合併した被上告人が、上告人である都を相手に納付告知の取り消しを求めた訴訟。

最高裁は判決の中で11条の8にいう「滞納者の地方団体の徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」とは、「第二次納税義務に係る納付告知時の現況において、本来の納税義務者の財産で滞納処分により徴収することのできるものの価額が、同人に対する地方団体の徴収金の総額に満たないと客観的に認められる場合をいう」と説示。当該事件の場合には「納付告知の時点において、B社の財産で滞納処分により徴収することのできるものの価額が徴収金の総額に満たないと客観的に認められるとはいえず、納付告知は11条の8にいう『~滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合』においてされたものとはいえない」と認定した。

■参考:最高裁判所:|第二次納税義務告知処分取消等請求事件(平成27年11月6日・第二小法廷)|

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85444