配当表記載の根抵当権者の配当額に相当する金銭が供託され、その後、根抵当権者に対し配当表記載の通りに配当された。その場合に当該供託金は、その支払い委託がされた時点における被担保債権に法定充当されるのかが争われた事案で最高裁第三小法廷は、法定充当されるとし、原審に続き上告を棄却した。
同事案は山林に根抵当を設定した上で金銭消費貸借取引等を締結。その後、債権者が山林を2回に分けて競売に付したところ、1回目の競売で生じた供託金の扱いで訴訟となった。
最高裁は、配当表記載の根抵当権者の配当額について配当異議の訴えが提起されたために、配当額に相当する金銭が供託され、その後、根抵当権者が上記訴えに係る訴訟で勝訴したことにより、根抵当権者に対し配当表記載の通りに配当がされる場合には、配当の実施は供託金の支払い委託によって行われる▽供託金は支払い委託がされた時点における被担保債権に法定充当がされる―などと説示。本件の事案については、供託金の支払い委託がされた時点における各貸金債権に供託金と供託利息の法定充当がされた結果、残存する各貸金債権の額は配当表記載の被上告人の債権額を下回らないものと認められるから、上告人の請求には理由がないことになると判決した。
■参考:最高裁判所|配当異議事件(平成27年10月27日・第三小法廷)|
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85405