企業会計基準委員会(ASBJ)は6月30日、「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」を公表した。昨年7月31日に公表した公開草案からは大きな内容の変更はない。
修正国際基準では2項目についてIFRS(国際会計基準)を修正することとしている。まず、のれんの会計処理に関しては、企業結合で取得したのれんは耐用年数にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却するように修正を行っている。次に、その他の包括利益の会計処理については、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品への投資の公正価値の変動」「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の発行者自身の信用リスクに起因する公正価値の変動」「確定給付負債又は資産(純額)の再測定」に関して、ノンリサイクリング処理(その他の包括利益に計上した後に当期純利益に組替調整(リサイクリング処理)しない会計処理)としている規定を修正し、リサイクリング処理するようにしている。
平成28年3月31日以後終了する連結会計年度にかかる連結財務諸表から適用できるとされているが、どの程度の企業が適用するかは未知数だ。