このほど経済産業省が公表した「経済安全保障に関する産業・技術基盤強化アクションプラン(再改訂)」は、急速に変化する国際情勢と技術革新の進展を受けて、我が国の経済安全保障政策を強化するための具体的な方向性を示している。主要なポイントは以下の通り。
〇国際環境の変化への対応:米中間の技術覇権競争が激化し、生成AIや量子技術、バイオ等の先端技術が国家安全保障の重要性が高まり、安定的なエネルギー供給体制の構築が求められる。〇産業・技術基盤強化のための3テーマの連携:産業支援策、産業防衛策、国際連携・官民対話の3テーマを有機的に連携させ、重要物資の供給確保や先端技術の研究開発支援、技術流出防止策の強化、同志国との連携強化などが重要。
〇ルールベースの国際経済秩序の再構築:国際ルールの形成に積極的に関与し、新たな国際秩序の構築を主導する必要があり、公正で持続可能な市場の形成が求められている。〇官民対話の推進と経済インテリジェンスの強化:脅威やリスクの共有、サプライチェーンの強靱化、技術流出防止策の策定などを進めることが重要。
本プランの再改訂は、我が国の経済安全保障政策の強化と、国際社会における我が国の地位の基盤つくりの重要なステップと位置付けられている。
■参考:経済産業省|「経済安全保障に関する産業・技術基盤強化アクションプラン再改訂版」を公表しました|
https://www.meti.go.jp/press/2025/05/20250530010/20250530010.html