政府の規制改革推進会議は5月28日、規制改革推進に関する答申を取りまとめた。会計に関する項目では、のれんの会計処理の在り方の検討を行う必要がある旨が盛り込まれている。
日本の会計基準では、のれんは20年以内に規則的償却を行うこととされており、減損の兆候がある場合のみ減損テストを行うこととされている。一方、国際的な会計基準では、のれんの償却は行わず、毎期減損テストを行うのみとなっており、日本基準との残された大きな差異となっている。
こののれんの会計処理だが、のれん償却費は営業費用に区分されるため、特にスタートアップ企業においては、買収企業の収益を継続的に圧迫し、M&Aの阻害要因になっているとの指摘がある。このため、企業会計基準委員会(ASBJ)に対し、のれんを非償却化することを求め、仮に非償却化が難しい場合には、償却・非償却の選択適用することができるように求める。今回の答申では、内閣府及び経済産業省は、のれんの会計処理に関し、ASBJにおいて、スタートアップに係るM&Aを促進する観点から検討が行われるよう、スタートアップ関係者から財務会計基準機構(FASF)に対して提案がなされるようフォローする旨が明記されている。
■参考:内閣府|規制改革推進会議・第23回・令和7年5月28日「規制改革推進に関する答申(案)について」|
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/250528/250528general_01_2.pdf