自動車整備を担う事業者の市場撤退が加速している。帝国データバンクはこのほど、「自動車整備業者の倒産・休廃業・解散の動向調査」結果を発表した。 それによると、2024年度の自動車整備事業者の休廃業・解散は前年度比15%増の382件で、過去最多を更新した。倒産(負債1000万円)を含めると計445件が市場から消滅した。
同社は「大手自動車メーカーで整備士の育成や、損保会社との連携など業界の改善に向けた取り組みが進むが、整備ニーズの変化に対応できない事業者の淘汰は続く可能性がある」とみている。
自動車整備業界では近年、パーツ仕入価格や人件費の高騰、少子高齢化による自動車ユーザー減少、整備士不足に加え、保険修理の単価低迷といった悪条件も重なり、厳しい経営環境に直面する事例が増加している。24年度の自動車整備事業の損益状況を見ると、26.2%が赤字となり、「減益」(26.7%)を含めた「業績悪化」企業の割合は52.9%と半数を超えた。特に、整備士不足が業績に深刻な影響を与えており、若年層の整備士志望者減少と高齢化が進んだことで人手不足が慢性化し、納期遅延や受注台数の制限を余儀なくされるケースが目立った。黒字は42.9%だった。
■参考:帝国データバンク|「自動車整備業者」の倒産・休廃業解散動向(2024年度)|
https://www.tdb.co.jp/report/industry/250504_seibi25fy/