現在に合わせた労働者性の定義 法整備に向けた検討会開催

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厚生労働省はこのほど、第1回「労働基準法における『労働者』に関する研究会」を開催した。本研究会は、多様化する働き方や社会構造の変化を踏まえ、現行の「労働者」の定義やその判断基準の見直しを目的とする。以下検討課題を挙げてみた。

(1)労働者性の判断基準の見直しについては、現行法が昭和60年の研究会報告に基づいており、裁判例や学説、国際的動向を踏まえ、時代に即した判断基準の再構築が必要とされた。

(2)プラットフォームワーカーへの対応も重要な課題とされた。近年増加している配車サービスや宅配業務等では、AIやアルゴリズムにより間接的に管理される労働形態が一般化しつつある。今後より柔軟で実態を反映した新たな基準が求められる。

(3)また、現行法で適用除外とされている家事使用人に関しても再検討が必要であるとされた。個人家庭における雇用形態であっても、実質的な労働関係が存在する場合には、一定の保護の必要性が提示された。

(4)今後の検討体制については、労働者性の法的判断に関して高い専門性を持つ研究者や実務家を集め、継続的な議論と検証を行う体制の整備が不可欠とされた。実務家や企業においても、この議論の動向を注視し、制度対応への備えを講じていく必要がある。

■参考:厚生労働省|労働基準法における「労働者」に関する研究会 第1回資料|

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57506.html