厚生労働省はこのほど、同省が所管する「産科医療特別給付事業」に基づき公益財団法人日本医療機能評価機構から支給される給付金の所得税法上の取扱いについて、国税庁に照会を行った。
本事業は、出産時の医療行為に起因する重度脳性まひを負った児童とその家族に対し、医療的ケアや生活支援を目的として補償を行う「産科医療補償制度」において、補償対象基準を満たさなかったケースを救済する補完的制度である。
具体的には、在胎週数や出生体重などの形式的基準には満たないが、同様の重篤な障害が認められる場合に、最大1,200万円の特別給付金を支給するものである。当該給付金の性質について厚生労働省は、対象児とその家族に対して看護・介護等の支援を目的とし、社会保障的な配慮に基づき支給されるものであるため、所得税法第9条第1項第17号に規定される「社会政策的見地からの国又は地方公共団体による給付金等」に該当し、非課税所得と取り扱うべきとの見解を示した。
これに対し国税庁は、支給の根拠法令(厚生労働省実施要綱)や給付の目的、対象者の状況等を総合的に判断し、当該給付金が社会政策的見地に立脚した公的支援であると評価。厚労省の見解に相違はなく、所得税法上、非課税所得の取扱いと回答した。
■参考:国税庁|産科医療特別給付事業に基づき支払われる給付金の所得税法上の取扱いについて(照会)|
https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/shotoku/250416/another.htm