加藤勝信金融担当大臣は3月28日、すべての上場企業に対し、株主総会前に有価証券報告書を開示することを要請した。有価証券報告書の提出は、本来であれば総会の3週間以上前に行うことが最も望ましいとしたが、実務上の課題もあることから、まずは総会の前日又は数日前に提出することを求めた。現状、総会前に有価証券報告書を開示している上場企業は57社にすぎないが、その他のほとんどが総会当日又は翌日に開示しているため、数日前から1週間前程度であれば現状でも不可能ではないと判断したものだ。
昨年6月に閣議決定された骨太方針2024では、「有価証券報告書の株主総会前の開示に向けた環境整備等のコーポレートガバナンス改革の実質化等を推進する」旨が明記されており、これを受け、金融庁は、「有価証券報告書の定時株主総会前の開示に向けた環境整備に関する連絡協議会」を設置し、総会前開示に係る必要な環境整備について検討を行ってきたものである。なお、金融庁では、2025年3月期以降の有価証券報告書の提出状況について実態把握を行うこととしており、有価証券報告書レビューの重点テーマ審査において総会前の提出を行わなかった場合の今後の予定等について調査を行うとしている。
■参考:金融庁|株主総会前の適切な情報提供について|
https://www.fsa.go.jp/news/r6/sonota/20250328-2/20250328-2.html