Weeklyコラム お客の秘密

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個人情報保護法と関連するが、接客や顧客管理におけるお客の秘密について考える。まずX時計店の例である。

店主の人柄が温厚な為、長年にわたって利用する人が多い。ある時、日頃は大抵夫婦一緒に来店されるお客が、この日は旦那様だけで来て「家内へねえ」と言って洒落た婦人用時計を買った。その数日後、今度は奥様だけで来たので「旦那様のプレゼントはいかがですか」と尋ねたところ、顔色を変えた奥様が店を飛び出し、この夫婦はX店に全く来なくなった。たとえ夫婦や恋人等親密な間柄であっても、お客のプライバシーに関わる開示は慎重でなければならない。

次は質屋を多店舗展開しているY店の例である。その内の一店を閉鎖することになり、営業期間を過ぎた後、質物を預けているお客に案内状を送ったところ、「家族に内緒で利用しているので困る」という苦情が来た。Y店の顧客管理マニュアルでは、たとえ家族でも顧客本人の情報を漏らしてはいけない(店側からの手紙・メール・電話は原則として禁止)。

個人情報のトラブルは、見知らぬ他人への漏えいが一般に想定される。しかし、接客や顧客管理において意外に多いのが、家族・夫婦・恋人・友人・近隣等の間柄においてお客の秘密が漏れるトラブルであり、十分な注意が必要だ。