財政金融政策の経験を語る 黒田前日銀総裁が講演(後)

LINEで送る
[`yahoo` not found]

財務省の広報誌ファイナンス11月号は東京大学公共政策大学院で行われた黒田東彦前日銀総裁の講演「財政金融政策に関する私の経験」前編(デイリーニュース10月30日号参照)に続き後編を掲載した。

後編は、2005年からのアジア開発銀行総裁時代と13年~23年に務めた日銀総裁当時に関する内容などを収めている。アジア開銀総裁就任から8年の13年3月「突然、日本銀行総裁の大命が下り、身の引き締まる思いでした」と語った。総裁就任後初の同年4月に開かれた金融政策決定会合で量的質的金融緩和政策が決まり「2年程度を念頭に置いてできるだけ早期に物価安定目標を実現するという強いコミットメントによって予想物価上昇率を引き上げ、実質金利を大幅に引き下げることを狙いとしていた」と述べた。この後、総裁任期中に行った異次元の金融緩和や20年からのコロナ感染、22年のロシアによるウクライナ侵攻が日本経済に及ぼした影響などについて説明した。

その後の質疑応答で講演に出席した教授から「学生にアドバイスを」と問われると「公務員は大変なこともありますが、それだけ面白さや興味深さがあります。将来は明るいことを期待して前向きに仕事に取り組んでいただきたい」と学生にエールを送って講演を終えた。

■参考:財務省|黒田東彦前日銀総裁、東京大学講演「財政金融政策に関する私の経験」(後編・広報誌「ファイナンス11月号」)|

https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202411/202411d.pdf