年末調整が終わった後、給与支払報告書を作成する。今回は定額減税も行うため、この報告書の摘要欄には定額減税についても書かなくてはならない。定額減税に関する記載事項は3つあるが、このうち2つは特に注意が必要だ。
1 つは「控除外額」である。年末調整後の所得税額から控除しきれなかった定額減税額がある場合、控除しきれなかった金額とともに記載する。これを書かないと、所得者本人に追加給付がある場合、令和7年以降に受け取れない。
2つ目は「非控除対象配偶者減税有」だ。これは配偶者控除の対象にならない同一生計配偶者がいるときに書く。つまり合計所得金額が1000万円超1805万円以下の所得者に専業主婦や103万円以下のパート主婦などの配偶者がいるときに必要だ。配偶者控除できない配偶者分の定額減税だけは令和7 年度の住民税で1 万円分が控除される。だから記載が必要だ。
「定額減税は令和6年1年ポッキリ」の印象が強いが実際はそうではない。今の所得税・住民税が複雑であるため、急ごしらえの定額減税に対応しきれなかったのだ。現実には令和7年以降の対応も必要となる。政治家の先生方には税制の複雑さを理解した上で政策立案してほしいところだ。
■参考:国税庁|定額減税 特設サイト|
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm