厚生労働省は令和5年「労働争議統計調査」結果を公表した。同省では労働争議の発生状況、争議行為の形態や参加人員、要求事項などについての調査を行っている。調査対象は争議行為が現実に発生したものまたはその解決のために第三者が関与したものとなる。
令和5年「労働争議統計調査」結果によると、総争議件数は292件で対前年比22件増加し、令和元年についで過去2番目に少なかった令和4年から一転して増加となった。争議に参加した人数は101,253人でこちらは対前年比47,734人増加となり、約90%も増えている。争議行為を伴う争議件数については、平成23年に57件だったのに対し、令和5年においても75件(対前年比10件増)となっており、争議行為を行うケースは高止まりしていることになる。
労働争議の主要要求事項としては、賃金に関するものが総争議件数の53.8%で最多となった。以下、「経営・雇用・人事」に関するもの、「組合保障及び労働協約」に関するものとなっている。最終的には労働争議の75.7%が解決しているが、91日以上争議が継続する事例は30.3%、61日以上~90日以下も22.2%あり、半数以上の争議で解決まで61日以上かかっていることになる。
■参考:厚生労働省|令和5年「労働争議統計調査」の結果を公表します~労働争議について、総争議件数は前年に比べ増加~|
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/14-r05-09.pdf