東京商工リサーチは2024年上半期(1-6月)の「バー、キャバクラ、スナック」の倒産(負債1000万円以上)調査結果を発表した。それによると、倒産件数は前年同期比161.1%増の47件で、過去10年間で最も多かった。
コロナ禍で広がった三密を避ける行動や実質賃金の伸び悩み、物価高による飲食代の値上げなどで飲み会や接待が減少する一方で、客の利用回数も減っており、バーやキャバクラなど夜の飲食業界は苦境に立たされている。
倒産の内訳を見ると、バーは前年同期比166.6%増の24件で、過去10年で最多。コロナ禍はコロナ関連の資金繰り支援などで、22年上半期は6件、23年同期は9件と少なかったが、24年同期は同支援の縮小や終了、ウイスキーの値上がりなどで急増した。キャバクラは接待などの減少で同150.0%増の10件と過去最多。
一方、価格が比較的安く、カラオケ復調も背中を押したスナックは同160.0%増の13件で、最多だった18年の17件より4件少なかった。原因別では販売不振が44件で大半を占めた。負債額別では1億円未満が43件、資本金別では1000万円未満が46件、従業員数別では10人未満が45件と、小・零細規模の運営会社が中心だった。
■参考:東京商工リサーチ|2024年上半期「バー,キャバレー,ナイトクラブ」倒産状況|
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198784_1527.html