Weeklyコラム 経営者の健康と危機管理

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会社の課題は、資金繰り・雇用・顧客開拓・債権管理・事業承継等多種多様にある。中でも、経営者の健康問題は深刻となる場合が多い。特に、中小企業の場合は、経営者の技術や人脈等が企業存続の要件である事が多い為、健康維持が非常に重要となる。

筆者の知人が経営するイタリア料理のレストランチェーン(3店舗)は、A社長が30年前に創業し、現在は長男が本店を、支店を長女と次男が店長として管理している。A社長は経理・労務・仕入・販促等の経営全般を担当している。経営はずっと順調であったが、最近突然A社長が病気で長期入院してしまった。店舗の現場管理は問題無かったが、経理や会社全体の指揮命令等に支障を生じてしまった。やむを得ず、A社長が病床から指示や指導をし、急遽、次男が経営管理を代行しているが、職務に不慣れで毎日不安定な運営状況である。

経営者が日頃から健康に留意する事は当然であるが、もし経営者が病気やケガで仕事が出来なくなった場合の準備をしておくことが必須である。例えば、管理者の内から、経営者の代行が可能になるような人材と職務能力を養成しておく。また、早めに事業承継を準備し、万一の場合には経営上の権限と職務能力が振るえる体制を準備しておくことが必要である。