「良い会社」とは何か、これは「良い人」とは何かというくらい抽象的かつ曖昧である。業績が良い、成長力がある、商品の品質が高い、…と挙げたら切りがない。
ここでは、X社(婦人服小売チェーン)が実施した従業員アンケートによる自社の良い点は何かの質問に記入された数例を紹介したい。(1)経営者・管理者のリーダーシップがしっかりしている。また、人間性が尊敬出来る(2)残業するかどうかは社員各自が決められる(3)店舗間異動の際は事前に社員と管理者が面談する(4)経営者・管理者は交際・出張等で昼間不在でも、夕方出来るだけ出社する(報告・相談が出来る(5)社員同士の金銭トラブルや男女間トラブル等がない(6)経営陣・管理者が派閥争い又は経営権争いをしない(7)完全週休2日制で有給休暇が希望通りに取れる(8)給与水準・休暇・福利厚生(社保)等の待遇が比較的良い。悪い会社の例は、大体以上の逆となろう。また、このような観点から見て良い会社であるか否かは、外部の人には大抵分からない事柄だから、社員が就職する前には恐らく気づかないものだ。
良い会社であるか否かは、入社前に聞く客観的なデータ(規模・業績・待遇等)だけでは判定出来ない。事前に、内部の人の話が聞ければ有難い。