令和6年度税制改正大綱(11) 賃上げ促進税制の裾野拡大

LINEで送る
[`yahoo` not found]

物価上昇を上回る賃金上昇の実現を最優先の課題とした今回の改正では、賃上げにチャレンジする企業の裾野が大きく広がる。中小企業に対する拡充は以下の通り。

【上乗せ措置の見直し(最大控除率45%)】〇教育訓練費の増加割合が5%以上、かつ教育訓練費が雇用給与等支給額の0.05%以上―10%加算 〇「くるみん認定」又は「えるぼし認定(2段階目以上)」―5%加算

【控除限度超過額の繰越】5年間の繰越が可能となる(繰越税額控除をする事業年度において、雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額を超える場合に限る)。適用年度に所得が発生していない中小企業においても、翌期以降5年間にわたって税額控除を受けられる余地があるため、税制の適用に関する検討が毎期必要となる。

【3年間の延長】令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用される。また、賃上げ税制における法人の区分に、新たに「中堅企業」(資本金1億円超かつ従業員2千人以下の法人)が設定された。4%以上の賃上げ率で25%の控除を受けることができ、10%の教育訓練費増加により5%、「プラチナくるみん認定」又は「えるぼし認定(3段階目以上)」による5%の上乗せで最大控除率は35%となる。

■参考:財務省|第213回国会における財務省関連法律 令和6年2月2日 所得税法等の一部を改正する法律案|

https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/213diet/index.htm