全国健康保険協会(協会けんぽ)の令和6年度の新しい保険料率は全国平均で令和4年度、5年度に続き、6年度も据え置きとなる見込みだ。収支見込みは黒字が継続しているものの、医療費の伸びが賃金の伸びを上回るという財政的な赤字構造が解消されておらず、中期的な財政運営の観点からも全国平均としては据え置きが妥当という判断となった。
なお、東京都の保険料率は今年度の10.0%から9.98%に引き下げられる見込みだ。協会けんぽの令和4年度決算は収入が11兆3,093億円、支出が10兆8,774億円となり、収支差は4,319億円となった。収支差は前年度比で1,328億円増加しているものの、保険料収入の増加は保険給付費の増加を下回っている。同年度の収支差の増加は後期高齢者支援金の多額の戻り分が発生するという一時的な特殊事情によるものだ。
また、団塊の世代が75歳に到達するため、後期高齢者支援金の急増が見込まれること、財政状況が悪化した健康保険組合が解散し、協会けんぽに移る事態も予想され、財政的には不確定要素が大きいとされている。なお、介護保険料率は令和4年度の1.64%から5年度に1.82%に引き上げられたが、6年度は1.60%に引き下げられる予定だ。
■参考:全国保険協会東京支部|令和6年度 平均保険料率について|
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/tokyo/36siryou1/20190723001/66kai/20240112022.pdf