国税庁は先般、令和4事務年度の相互協議の状況を公表した。外国税務当局との相互協議事案の発生件数は301件と過去最多、前事務年度比122%となった。うち、事前確認にかかるものは243件、移転価格課税その他に係るものは58件。
処理件数 は、前事務年度比103%の191件。うち、事前確認事案は146件、移転価格課税その他に事案は45件であった。処理事案1件あたりの平均処理期間は30.2か月(前事務年度:31.6か月)。発生件数が処理件数を上回ったため、令和4事務年度末の繰越件数は増加して742件となった。繰越事案の相手国・地域の内訳は、米国(23%)、インド(15%)、中国(14%)、韓国(8%)、ドイツ (6%)の順であった。
OECD非加盟国・地域との相互協議の発生件数は101件、処理件数は39件で、令和4事務年度末の繰越件数は335件となり、繰越件数全体の45%を占めた。処理事案1件あたりの平均処理期間は51.3か月となった(令和3事務年度:44.0か月)。処理事案を業種別に見ると、製造業が124件(約65%)、卸売・小売業が44件 (約23%)。対象取引別では棚卸資産取引 が145件、役務提供取引111件、無形資産取引69件であった。
■参考:国税庁|令和4事務年度の「相互協議の状況」について|
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/sogo_kyogi/sogo_kyogi.pdf