Weeklyコラム 上司からの信頼度

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X社(食品卸売業)のA社長から、B部長の職務執行態度に関する相談を受けた。B部長には、部下を公平に扱っていない、仕事を指示しても積極的な報告がなく期限を守らない等の欠点があると言う。他方、別の日にB部長からも相談を受けた。B部長が部下に任務を命令しても真剣に取組まず、明確な報告もしないと言う。また、「社長が私を敬遠している」と感じると言う。
以上の話を聞いた時、二人の相談には密接な関係があると思った。問題点の原因に共通点があると感じた。四書五経の一つ『孟子』にも「下(しも)、家来の地位にいて、その上(かみ)の君から信頼を得られないようならば、とうてい、民の上に立って治めて行くことなどは出来ない」とある(内野熊一郎著、明治書院新書漢文大系11参照)。組織の運営はメンバーの信頼関係によって成り立ち、上から下への流れ(上司から部下への流れ)、及び下から上への流れのどちらかに障害があれば、しっくりと行かなくなるものだ。首尾良く流れるか否かは、上下の信頼度によって決まると言えよう。

X社の場合、A社長とB部長が十分に話し合いを繰返し、お互いの欠点を認め合って反省した。結果、A社長のB部長に対する信頼度が徐々に上がり、それに伴ってB部長に対する部下の態度も改善した。