相続により取得した土地について、租税特別措置法(平成22年法律第6号)第69条の4「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」第1項に規定する特例を適用して相続税の申告をしたところ、原処分庁が適用対象の土地を取得した相続人全員の同意がないことから、適用は受けられないなどとして更正処分および過少申告加算税の賦課決定処分をした。
これを不服とした審査請求人が更正処分等の全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、相続人全員の同意を証する書類の提出がない限り、適用はないと裁決した。
請求人は(1)他の相続人は、遺言無効確認等訴訟が終了した時に特例を適用することに反対していない(2)遺言書の効力について訴訟で争われている場合、相続人全員の同意を取り付けることは不可能―などとして、相続人全員の同意を証する書類の提出がなくても、特例の適用が認められるべきだと主張。不服審判所は▽措置法施行令第40条の2第3項第3号により、特例対象宅地等を取得したすべての個人の同意を証する書類の提出が必要とされているのに、提出をしていない▽例外的に同意を証する書類の提出が必要でないとする規定はなく、措置法の規定をみだりに拡張解釈することは許されない―と説示した。
http://www.kfs.go.jp/service/MP/12/0303000000.html#a96