金融庁がガイドライン事例集 中小企業の事業再生で活用期待

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金融庁は中小企業の事業再生に関するガイドライン(以下ガイドライン)を活用した事例集を作成し、ネット上で公表した。同庁は今回の事例集を参考に、金融機関等によるガイドラインの活用が今後一層浸透していくことを期待している。

事例集はまず、再生型私的整理手続き(債務減免あり)の事例として、債権の時価譲渡、第二会社方式、グループ企業一体による事業再生支援の3種類を示した。このうち、会社分割や事業譲渡を行い、既存事業のうち収益性のある事業を切り離し、新設した法人等に継承させ、残りの不採算事業や過剰債務は特別清算等の法的整理によって清算する手法である「第二会社方式」の例として、自動車部品製造業(従業員10人)を挙げた。

この会社は5億4000万円の借入金を抱え、事業継続が見通せないため資金ショートする前にガイドラインの中の「廃業型」を選択した。ところが、取引先からスポンサー就任の打診があったため「再生型」に切り替え、スポンサーの決定から事業譲渡まで約3カ月の短期でクローズできた。この結果、従業員全員がスポンサー企業に継承され、雇用が確保された。

事例集はリスケジュールによる再生支援やガイドラインを活用した円滑な廃業支援など多くのケースを紹介している。

■参考:金融庁|「中小企業の事業再生等に関するガイドライン事例集」の公表について|

https://www.fsa.go.jp/news/r5/ginkou/20231017.html