過労死等防止対策白書公表 睡眠不足が招く危険性を指摘

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厚生労働省は「令和5年版過労死等防止対策白書」を公表した。これは過労死等防止対策推進法第6条に基づき、過労死等の概要や政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況を国会に報告するものだ。

白書によると、「過労死等の防止のための施策に関する大綱」に基づく調査分析として、睡眠の不足感が大きいと疲労の持ち越し頻度が高くなり、うつ傾向・不安を悪化させ、主観的幸福感も低くなる傾向が明らかであると報告されている。日常から不眠症状を抱える労働者は注意が必要だろう。

仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は令和4年に82.2%に達している。勤務問題を原因・動機の一つとする自殺者数も同年に約3千人となっており、長時間労働や職場内の問題を原因として悩みを抱え、その結果不眠症状を起こし、うつ状態を悪化させるケースも多そうだ。職場におけるメンタルヘルス対策の重要性がさらに増していると言えるだろう。

厚生労働省は11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、この期間に過労死等をなくすためのシンポジウムやキャンペーンを行っている。過労死防止のためにも、この機会に実際の労働時間や社員のストレス状況を確認しておきたい。

■参考:厚生労働省|「令和5年版 過労死等防止対策白書」を公表します|

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35671.html