「令和5年版労働経済の分析」 人手不足感はコロナ前水準に

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厚生労働省は「令和5年版労働経済の分析」(労働経済白書)を公表した。労働経済白書は一般経済や雇用状況、労働時間等の現状や課題について各種統計データを基に分析する報告書だ。今回の報告書は令和4年を分析対象としている。

資料によると、コロナウイルス感染症の影響により社会活動の抑制も終わり、徐々に活発化する中で雇用情勢も持ち直している。女性の正規雇用者数が堅調に増加、人手不足感はコロナ前の水準まで戻りつつあるとしている。雇用情勢の改善を受け、転職については「より良い条件の仕事を探すため」が牽引。3年ぶりに増加に転じている。転職を経ることで2年後に転職前と比べて年収が大きく増加する確率が高まる。

名目賃金はすべての月で対前年同月を上回り、民間主要企業の賃上げ率も2.20%と4年ぶりに前年の水準を上回ったが、円安の進行等に伴う物価上昇により、実質賃金は減少する結果となり、依然として伸び悩んでいる。売上総額や営業利益等が増加した企業、今後増加すると見込む企業ほど賃上げを行う傾向がある。最低賃金引上げが続く中、収益性及び生産性の向上を通じて適正な賃上げを行わないと、人材流出が避けられず人材供給側にならざるを得ない時代が迫っている。

■参考:厚生労働省|「令和5年版 労働経済の分析」を公表します~分析テーマは「持続的な賃上げに向けて」~|

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35259.html