企業会計基準委員会(ASBJ)はこのほど、「税制適格ストック・オプションに係る会計上の取扱いについて照会を受けている論点に関する解説」を公表した。
信託型ストックオプションに関する課税上の取扱いを巡り、国税庁が公表した「ストックオプションに対する課税(Q&A)」や「租税特別措置法に係る所得税の取扱いについて」(法令解釈通達)等の一部改正を踏まえ、同委員会にストックオプションの会計上の取扱いに関する照会が寄せられていることから現行の取扱いを改めて解説したものだ。
解説によれば、通達改正後は、未公開企業においては行使価格を1株当たり純資産とするケースが増加することが見込まれるとし、仮に行使価格を1株当たり純資産とした場合、算定時点におけるストックオプションの原資産である自社の株式の評価額と差額が生じることが考えられるとした。特に算定時点において1株当たりの純資産は小さいものの、将来的に成長が望まれる企業では、算定時点におけるストックオプションの原資産である自社の株式の評価額と行使価格との差額が大きくなるため、このような場合には、単位当たり本源的価値にストックオプション数を乗じて算定した額のうち当期に発生したと認められる額を費用として計上するとしている。
■参考:企業会計基準委員会|税制適格ストック・オプションに係る会計上の取扱いについて照会を受けている論点に関する解説|
https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/20230707_manual.pdf