Weeklyコラム 商売は試行錯誤

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商売を長年している人に経験談を伺うと、必ず浮き沈みの苦労話が出る。企画したアイデアがお客に受け入れられなかったり、商品の開発や製造が首尾良く行かなかったり等、自己の責任で失敗する事もある。

さらに、自己の行動に問題が無くても、世間一般の流行変化や天変地異(コロナ禍もこの一つ)等に遭って、破綻寸前に陥る事もある。一度の失敗で諦めて、転職したり元の仕事に戻ったりする人もいる。しかし、多くは何度もの失敗を教訓にして、我慢強く工夫を重ねているものである。

井原西鶴の『日本永代蔵』に、蜘蛛が糸を張る場面がある。「やっと張った糸を渡ってゆくと嵐に吹き切られ、途中からその身が落ちて命もあぶなそうだったが、又もや糸をかけて伝い、それも切られるとまた糸をかけ、三度までもつらい目にあったのに、ついに四度目に渡り切って、まもなく蜘蛛の巣を作り・中略・あんな虫でさえ、気長に巣をかけて楽しむのだから、まして人間たるものが気短に物事を投げ出してはいけないのだ」(堀切実訳注、角川ソフィア文庫)。

訪問営業でよく言われるが、新規はともかく、2回目3回目で旨く行かないと諦めてしまう人が多い。4回目5回目以上になると、一部の顧客は「忍耐強い営業だな。一度だけ話を聞こうか」という可能性がある。