Weeklyコラム 社員能力養成の変化

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さて、社員能力とは何を指すのか。また、その能力は何時・どこで修得するのか。社員能力とは、一般に業務や商品の知識・技術・営業経験・会話力等であるが、基盤になるのは健康・気力(やる気)・人間的徳性等である。

中小企業の指導の際、従来経営者から聞く社員能力の内容は、規模が小さくなる程「社員はまじめであれば、健康とやる気次第」という者が多かった。特に、若手であればやる気次第で知識・技術・営業等は社内で教育訓練出来るという考えだ。ところが、近年の新規募集では、小規模事業所であっても即戦力と称してIT技術、業務知識技術、業界人脈等を求める事業所が増えている。新卒応募者や転職者は、これまでと違う能力が求められる。

大学新卒者は一般に特定業務の遂行能力が低く、転職者も専門的な経験を積んでいなければ、企業が求める即戦力はない。これら労働事情の変化は、高校・大学等に職業実践能力養成を気づかせるとともに、学校はもちろん国家や自治体にも、在学中及び卒業後の職業訓練(手に職をつける訓練以外含む)の必要性と教育再編成を求めている。少年期から職業教育訓練に力を入れるドイツその他の諸外国を参考に、政策策定者及び運営管理者には新しい学校教育と職業能力養成のあり方を探って欲しい。