この世の争いの原因は多種あるが、「境界争い」も大きな原因の一つである。国境争いから隣人との敷地境界争いまで規模は区々であるが、相当面倒なトラブルになる。
土地売買や家屋建築に際して、意外に大きなトラブルになるのが、隣地との境界争いである。土地売買等に合意した後、いざ最終契約をしようとした時に、隣地との境界が確定出来ない事でとん挫する場合がある。また、家屋を建築するに際して、公道や隣接地との境界が争いになったりする。隣人との争いは、お互いに強いストレスになる。
筆者の知人が駅の近くに小さなビルを建てる際、隣地との境界が明確にならず、着工が大変遅れた事がある。測量の結果、これまでの境界が隣人の敷地を侵害していると言われた。交渉に長時間を要したが、幸いだったのは相手が解決に協調的であった事である。当該地を店舗として利用して、長年隣人とのつき合いを大事に盆暮の挨拶も欠かさなかったからである。
境界争いは訴訟になる可能性が高いが、その分かれ目は当事者の日頃の人間関係が影響する。元の関係が悪ければ、相手の権利主張に怒り・嫉妬・うっぷん等の感情を抱くかもしれない。言い分が異なっていても、お互いが主張を譲り合う中庸の態度をとるならば、大抵は話し合いで解決出来るものだ。