保全処分事件の記録には不該当 謄写許可申し立て抗告棄却

LINEで送る
[`yahoo` not found]

保佐開始の審判事件を本案とする財産の管理者の選任等の保全処分を申し立てた抗告人が、保全処分で選任された財産の管理者から家裁に提出された書面の謄写の許可を申し立てた事案で最高裁第一小法廷は原審に続き抗告を棄却した。

抗告人は千葉家裁に対し、実母について後見開始の審判を申し立てたあと、申し立ての趣旨を保佐開始に変更、保佐開始の申し立てについての審判が効力を生ずるまでの間、財産の管理者の選任等を求める審判前の保全処分を申し立てた。

家裁は、保佐開始の申し立てについての審判が効力を生ずるまでの間、A弁護士(管理者)を財産の管理者に選任、実母の財産上の行為につき管理者の保佐を受けることを命ずる審判をし、審判は効力を生じた。その後、管理者は管理すべき財産の目録および財産の状況についての報告書を裁判所に提出。抗告人は裁判所に対し管理者が提出した書面一式について謄写の許可の申し立てをしたが却下され、抗告人は即時抗告。家裁は却下。抗告人は即時抗告をしたが、原審も棄却。

最高裁は、保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において選任された財産の管理者が家裁に提出した管理すべき財産の目録および財産の状況についての報告書は、保全処分の事件の記録には当たらないと説示した。

■参考:最高裁判所|保佐開始の審判事件を本案とする保全処分の事件において当該報告書は、上記保全処分の事件の記録には当たらない(令和4年6月20日・第一小法廷・棄却)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91257