主幹事への免責なし―粉飾上場 原判決棄却、差し戻す―最高裁

LINEで送る
[`yahoo` not found]

東証マザーズに上場された半導体製造装置メーカー「エフオーアイ」株式を取得した者等である上告人らが、会社が上場にあたり提出した有価証券届出書に架空売り上げ計上による虚偽記載があったなどと主張、

会社等と元引き受け契約を締結していた金融商品取引業者のうち、主幹事会社のみずほインベスターズ証券を吸収合併した被上告人(みずほ証券)に対し、募集または売り出しに応じて取得した株式につき金融商品取引法21条1項4号に基づく損害賠償を請求するなどしている事案で、最高裁第三小法廷は原判決主文第1項を破棄、東京高裁に差し戻した。

エフ社の粉飾を指摘する投書が被上告人側に2度寄せられたのに、被上告人の対応は不適切だった。被上告人の損害賠償責任につき、同条2項3号による免責の可否が争われている。原審は、被上告人は重要な事項について虚偽記載の事実を知らなかったなどとして被上告人の免責を認め、損害賠償請求を棄却。

最高裁は、財務計算部分に虚偽記載等がある場合に、元引き受け業者が引き受け審査に際して上記情報に接していた時には、調査確認を行ったものでなければ21条1項4号の損害賠償責任につき同条2項3号による免責を受けることはできないと説示。被上告人の免責を否定した。

■参考:最高裁判所|上場の際有価証券届出書に虚偽記載があった場合において金融商品取引業者の損害賠償責任につき免責が否定された事例|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89915