原判決を破棄、1審判決取消し 親子関係不存在の訴え―最高裁

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原判決を破棄、1審判決取消し 親子関係不存在の訴え―最高裁

夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかなどとして、親子関係不存在の確認を求めた訴えについて 最高裁第一小法廷は7月17日、訴えの適法性を肯定し、請求を認容すべきだとした原判決を破棄、第1審判決を取り消すとともに、不適法だとして訴えを却下した。金築誠志裁判官と白木勇裁判長はこれに反対、意見が割れた。最高裁は、夫と子との間に生物学上の父子関係が認められないことが明らかであり、子が現時点で夫の下で監護されておらず、妻および生物学上の父の下で順調に成長しているという事情があっても、子の身分関係の法的安定を保持する必要が当然になくなるものではないから、そうした事情があるからといって同条による嫡出の推定が及ばなくなるとはいえず、親子関係不存在確認の訴えをもって父子関係の存否を争うことはできないと解するのが相当だとの判断を示した。

また、このように解すると、法律上の父子関係が生物学上の父子関係と一致しない場合が生ずることになるが、同条および774条から778条までの規定は、そのような不一致が生ずることをも容認していると解されると指摘。訴えの適法性を肯定すべき事情も認められないと説示した。