審査請求人が不動産から生じる不動産所得について、23年分から26年分までの所得税等の期限後申告書を提出したところ、原処分庁が無申告加算税の賦課決定処分を行った。請求人が、申告書の提出は国税通則法第66条《無申告加算税》第5項に規定する「その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について決定があるべきことを予知してされたものでないとき」に該当するとし、原処分の一部取り消しを求めた事案で国税不服審判所は29年9月26日付で、該当すると裁決、処分の全部ないし一部を取り消した。
原処分庁は、調査担当職員が配偶者の所得税に係る調査で、請求人名義の不動産から生じる不動産所得が配偶者の所得として申告され、請求人が申告していない事実を把握、請求人が税理士に質問したのだから第5項に該当しない旨主張。審判所は、調査の内容・進捗状況、それに関する納税者の認識、期限後申告に至る経緯、期限後申告と調査の内容との関連性の事情を総合考慮して判断すべきだとした上で、請求人は税理士を通じて調査を認識したものの、調査とは別の契機で不動産の名義通りに申告をやり直したいと申し出、申告したのだから「決定があるべきことを予知してされたものでない」ことに該当するとした。
■参考:国税不服審判所|期限後申告書の提出が、国税調査について決定があるべきことを予知してされたものでないとした事例(全部取消し、一部取消し・平成29年9月26日裁決)|
http://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0603030000.html#a108