企業会計基準委員会は2月9日、「税効果会計に係る会計基準」の一部改正案及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針案」などを正式決定した。表示及び注記事項の早期適用の時期が「公表日以後」から「平成30年3月31日以後」に変更された以外は公開草案からの大きな変更はない。
また、最後まで検討が続いていた注記事項の取扱いもほぼ原案通りとなっている。例えば、個別財務諸表の注記事項については、新たに「評価性引当額の内訳に関する数値情報」を追加することが提案されているが、追加すべきではないとの意見が寄せられていた。この点、(1)財務諸表利用者は、税務上の繰越欠損金が生じている場合においては個別財務諸表においても将来の税負担率の予測及び繰延税金資産の回収可能性の不確実性の評価を行っており、有用な情報になり得る(2)親会社の個別財務諸表における税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額は、繰延税金資産の回収可能性の検討において区分して把握される情報であると考えられるため、情報収集に関する追加的な大きな負担は生じないといった理由から公開草案を変更しないことになった。
なお、改正会計基準等は、平成30年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用される。