農業競争力強化支援法において債権放棄を伴う事業再編計画が認定され資産の評価換えが行われた際、評価損の額は損金の額に算入できるのではとの照会に対し、国税庁課税部審理室長は見解通りで差し支えないと文書回答した。
事前照会したのは、農林水産省大臣官房政策課長。同計画においては事業や施設等が抜本的に絞り込まれ、今後事業の用に供さない資産を処分し、その評価損の計上が必要となる。法人税法では原則として算入しないとしているが、一定の事実が生じて評価換えをしたときは例外的に評価損の計上が認められている。
「一定の事実」とは、物損の事実及び法的整理の事実とされているところ、民事再生法による再生手続開始の決定に基く財産の価額の評定や、旧産活法による債権放棄を含む事業再編計画が認定された場合の評定が後者に該当すると考えられる。競争力強化法における債権放棄を伴う事業再編計画の認定に際してもそれらと同様に、主務大臣の関与を含めた一連の法的手続の下、申請者に属する一切の財産の評定が義務づけられ、また、公正妥当な会計処理に従って資産の評価換えと損失計上が行われるため、評価損計上の任意性が排除されることから、回答では、当該評価損の額は損金の額に算入して差し支えないとした。
■参考:国税庁|農業競争力強化支援法において債権放棄を伴う事業再編計画が認定された場合の資産評価損の税務上の取扱いについて|
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/bunshokaito/hojin/170825/index.htm