2025年上半期(1~6月)におけるゼロゼロ融資後の倒産件数は316件となり、前年同期比で75件減少した(帝国データバンク調べ)。これにより、当該関連の倒産件数が上半期としては初めて前年を下回ったが、依然として3年連続で300件を超える高水準が続いており、制度開始以降の累計件数は2,272件に達した。
業種別では、小売業が66件と最多で、特に飲食店(31件)や飲食料品小売(14件)などが目立ち、外食関連の厳しさが続いている。次いで建設業62件、製造業60件が多く、情報サービス業なども含むサービス業も一定数を占めた。
負債額別では、1億円以上5億円未満が142件と全体の約45%を占め、次いで5,000万円未満が86件と中小規模の倒産が中心となっている。これらの企業は、ゼロゼロ融資により一時的に資金繰りを維持していたが、借入の返済が進まず、新規融資も難しい状況に陥った結果、法的整理に至ったとみられる。
中小企業庁によれば、ゼロゼロ融資の実施実績は2025年2月末時点で約264万件、総額45兆円にのぼる。今後、政策金利引き上げにより「金利のある世界」への移行が進む中、一時的に減少したものの、中小企業を中心とした倒産リスクの継続が懸念される状況である。
■参考:帝国データバンク|「ゼロゼロ融資後倒産」動向調査(2025年上半期)|
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20250702yushigotousan/