中小企業庁および公正取引委員会は、2024年10月1日に、手形等のサイト(支払期間)を60日以内に短縮するよう注意喚起を行った。これは、下請代金支払遅延等防止法(下請法)に基づく定期調査で、約600の親事業者が60日を超える手形等で下請代金を支払っていることが判明。更に現金払いへの変更やサイト短縮の予定がないとの回答を受けたもの。新たな指導基準により、今年11月1日以降、60日を超える手形等を交付する親事業者は、下請法で禁止されている「取引困難な手形の交付」等に該当し、指導対象になるとした。また、禁止事項の買いたたきや下請け代金の減額等への該当事例も挙げている。手形から現金に変更する際に、給付から起算し60日を超えた支払期日を定める行為も禁止事項に触れるおそれがあると指摘した。
これまで中小企業庁は、手形や一括決済方式、電子記録債権を用いた支払いに関する指導基準を設け、違反行為の未然防止と迅速な対処を行ってきた。今回の注意喚起は、業界の商慣行や金融情勢を考慮し、指導基準を変更した結果となる。関連資料として、手形等の指導基準変更や注意喚起文が公表されている。同庁および公正取引委員会は、今後も中小事業者の取引条件改善に努める方針だ。
■参考:経済産業省|手形等のサイトの短縮に関する注意喚起を行いました|
https://www.meti.go.jp/press/2024/10/20241001002/20241001002.html