出版社の倒産廃業増加続く 今年、人気雑誌も休刊ラッシュ

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帝国データバンクは「2024年1-8月の出版社の倒産・休廃業解散動向」をまとめた。それによると、同期に発生した出版社の倒産(負債1000万円以上)と廃業は46件で、4年ぶりに前年から増加した23年(65件)と同等のペースで発生。同社は「24年通年では、過去5年間で最多となる可能性がある」とみている。

24年は月刊芸能誌「ポポロ」、女性ファッション誌「JELLY」、アニメ声優誌「声優アニメディア」などが休刊を発表。また、日本の伝統文化や芸能関係の話題を世界に紹介する国内唯一の英文月刊誌「Eye-Ai」を発刊していたリバーフィールド社も、今年4月に破産した。購読者の高齢化に加え、若者層では電子書籍の普及やネット専業メディアが台頭し、紙の雑誌・書籍の売り上げは1996年をピークに減少が続いている。また、「再販制度」で出版物の約4割が売れ残りとして返品されるなど出版社では在庫負担が重い。加えて、物価高の影響で紙代やインク代など印刷コスト、物流コストも上昇が著しく、収益が悪化する悪循環に陥っている。

23年度における出版社の業績は、赤字が36.2%を占め、過去20年で最大となったほか、減益(29.6%)を含めた業績悪化の出版社は6割を超えた。

■参考:帝国データバンク|「出版社」の倒産・休廃業解散動向(2024年1-8月)|

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p240903.html