令和5年度租税滞納状況の概要 原告訴訟等の事例も紹介

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国税庁はこのほど、令和5年度租税滞納状況の概要をまとめ発表した。令和5年度における新規発生滞納額は7,997億円となっており、令和4年度と比較すると、802億円(11.1%)増加している。ただ同滞納額は、ピーク時(平成4年度)の約4割となっていて、流れとしては減少方向にある。滞納発生割合(徴収決定済額に占める新規発生滞納額の割合)は1.0%で引き続き低水準で推移している。滞納整理中のものの額も、9,276億円で前年度対比3.7%の増加となっているが、これはピーク時(平成10年度)の約3割となっている。
資料には、悪質・処理困難事案への取組み事例も掲載しており、令和5年度は139件の原告訴訟を提起したとしている。例えば、滞納法人が所有する唯一の財産である不動産をA社長に売却し、その売却代金とAからの借入金とを相殺。国は当該不動産売却が、債権者(国)を害する行為であるとして、詐害行為取消訴訟を提起。その後、国の主張を認容する判決がなされた結果、滞納法人から滞納国税全額が自主納付された事例を紹介している。その他滞納法人の資金を私的流用していた代表者に対して第二次納税義務を賦課した事例や、滞納処分免脱罪による告発等を掲載している。

■参考:国税庁|令和5年度租税滞納状況の概要|

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2024/sozei_taino/pdf/sozei_taino.pdf