厚生労働省は令和5年度の「過労死等の労災補償状況」を公表した。同省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況について、労災請求件数や「業務上疾病」と認定し、労災保険給付を決定した支給決定件数などを取りまとめて公表している。
資料によると、令和5年度の過労死等に関する請求件数は対前年度比1,112件増の4,598件となった。同省では平成14年以降、本調査を行っているが、昨年度に引き続き過去最多となっている。請求件数のうち、死亡件数は同29件増の247件となった。なお、支給決定件数は同193件増の1,097件となり、こちらも過去最多を記録した。このうち死亡件数は同2件増の56件となっている。年齢別にみると、請求件数・支給決定件数ともに最多が50~59歳、ついで60歳以上、40~49歳が続いている。40代からはこれまで以上に体調や安全への配慮が必要と思われる。
平成26年11月に「過労死等防止対策推進法」が施行され、同法に基づき「過労死等の防止のための対策に関する大綱」も定められた。同省を中心に様々な施策が実行されているところだが、まだまだ改善の余地があるようだ。
■参考:厚生労働省|令和5年度「過労死等の労災補償状況」を公表します|
https://www.rodo.co.jp/column/179244/