企業会計基準委員会(ASBJ)は10月6日、令和5年度税制改正でパーシャルスピンオフ税制が創設されたことを踏まえ、「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針(案)」等を公表した(12月6日まで意見募集)。
具体的に、個別財務諸表上の会計処理としては、保有する完全子会社株式の一部を株式数に応じて比例的に配当(按分型の配当)し子会社株式に該当しなくなった場合には、配当の効力発生日における配当財産の適正な帳簿価額をもってその他資本剰余金又はその他利益剰余金(繰越利益剰余金)を減額する。
また、日本公認会計士協会も同日に「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」の改正について(案)を公表し(12月6日まで意見募集)、連結財務諸表上の会計処理を示している。具体的には、配当財産の時価で配当したとはせず、個別財務諸表における配当の処理に加えて、連結財務諸表上、配当前の投資の修正額とこのうち配当後の株式に対応する部分との差額を連結株主資本等変動計算書において処理することとされている。
適用は、公表日以後ただちに適用することとされており、適用日における会計処理の見直し及び遡及的な処理は行わない。
■参考:企業会計基準委員会|「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針(案)」等の公表|
https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2023/2023-1006.html