企業会計基準委員会(ASBJ)は、令和5年度税制改正でパーシャルスピンオフ税制が創設されたことを踏まえ、現在、パーシャルスピンオフの会計処理について検討を行っている。
会計処理としては、個別財務諸表上、保有する完全子会社株式の一部を株式数に応じて比例的に配当(按分型の配当)し子会社株式に該当しなくなった場合には、配当の効力発生日における配当財産の適正な帳簿価額をもってその他資本剰余金又はその他利益剰余金(繰越利益剰余金)を減額す
る取扱いを定める方向となっている。自己株式等適用指針等を改正する予定だ。
令和5年度税制改正で措置されたパーシャルスピンオフ税制については、令和6年3月31日までの1年限りの時限措置として導入されている(現時点で適用期限が延長されるかどうかは定かではない)。
このため、会計処理に関する適用時期については、改正自己株式等適用指針等の公表日以後とされる方向だ。当初は、令和5年4月1日から基準公表日までの間に実行された取引についても、経過措置として、適用を容認することを検討していたが、実際に基準公表までにパーシャルスピンオフ
が実施される可能性が低いことから現在は経過措置を定めないこととしている。
■参考:企業会計基準委員会|第508回企業会計基準委員会の概要|
https://www.asb.or.jp/jp/project/proceedings/y2023/2023-0824.html