Weeklyコラム 弱みを活用する

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自然界では弱いものが滅び、強いものが生き残る。しかし、この自然界の摂理はビジネスにも通用するだろうか。日本において、中小企業(零細企業も含めて)が充実している理由は、その弱みを活用する事に優れているからではなかろうか。

]例えば、現在中小商店等の一部ではネット通販が盛んになっている。立地・事業規模・接客等の弱みを解消(又は減らす)出来るからである。昭和30年代のように商店街に顧客が大勢押し掛ける状態が続いていれば、ネット通販のリスクを敢えて取らないであろう。また、小さな飲食店は、豪華な店舗や広々した空間を売り物にする店舗と同じ土俵で戦っても勝てない。むしろ、質素だが特徴のある設備、他店と違う独自のメニュー等を用意し、お客とのコミュニケーションを重視して家庭的な接客をする等、小規模店の弱みを活用する対応が求められる。近年、繁盛している数坪規模の立飲み店・やきとり屋・惣菜店・弁当店・ファーストフード店等にはよく見られる戦略である。

創業計画や再生計画等において、「立地条件・資金・事業規模・接客力・技術力等の弱み」=「採算性・競争等の不利」を理由に計画を撤回する場合がある。もちろん、実態を把握する事は有効だが、忍耐強く弱みを活用する戦略を練る事も重要だ。