厚生労働省では、12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め、ハラスメントのない職場づくりを推進するため、集中的な広報・啓発活動を実施する。その一環として「職場におけるハラスメント対策シンポジウム」がオンライン開催され、有識者による基調講演や「企業のカスタマーハラスメント対策の取組事例」と題したパネルディスカッションが実施予定だ。
カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為をいう。令和5年度「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、過去3年間に従業員からカスハラに関する相談があったと回答した企業は27.9%だった。事案の内容は「継続的な、執拗な言動」がもっとも多く、被害は「通常業務の遂行への悪影響」が最多だった。
今年は大手百貨店や鉄道会社等が、カスハラへの対応方針を相次いで公表したことも話題となった。企業はカスハラへの対応手順や従業員の相談体制を予め整備した上で、事実関係を正確に把握し、悪質なカスハラには毅然と対応すべきだ。同省ポータルサイト「あかるい職場応援団」では、各種ハラスメント防止対策の参考となるパンフレットや動画を提供している。
■参考:厚生労働省|12月は「職場のハラスメント撲滅月間」です~職場におけるハラスメント対策シンポジウム開催~|