国税庁はHP上の質疑応答欄に「信託が終了し帰属権利者が残余財産を相続又は遺贈により取得したものとみなされた場合の取得費」に関するやり取りを公開した。
【照会要旨】は、被相続人甲は生前、信託銀行との間で自己を委託者兼受益者、信託銀行を受託者、信託財産を土地とし、甲(受益者)の死亡を信託終了事由とする内容の信託契約を締結していた。今回、甲が死亡したことにより本件信託が終了。帰属権利者として指定された受益者甲の子(乙)が本件信託に係る残余財産として本件土地を取得。本件信託は、乙が本件土地を譲渡する際の譲渡所得の計算上、その取得の時期及び取得費は、甲から相続又は遺贈により取得したものとして、所得税法第60条第1項第1号《贈与等により取得した資産の取得費等》の規定が適用されるか。
本件信託は、所得税法第13条第1項本文の適用を受ける、いわゆる受益者等課税信託に該当。同庁は、適用されると回答。根拠として(1)乙には相続税賦課済み。新たな課税の発生なし(2)キャピタルゲインに対する課税は、所得税法第60条第1項の趣旨を踏まえ、乙は、甲から相続又は遺贈により取得したことと同視する―との見解を示した。
■参考:国税庁|信託が終了し帰属権利者が残余財産を相続又は遺贈により取得したものとみなされた場合の取得費|
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/joto/05/16.htm