東京国税局は、消費税還付制度を悪用した事案が相次いでいるとして、「消費税不正還付対策本部」を新たに設置し、対応の強化に乗り出している。
報道によると、同局重藤哲郎局長は、対策本部での初会合で、税務調査や徴収などを担当する職員およそ130人を前に、極めて悪質性が高い消費税の不正還付行為に厳正に対処・取り組むよう訓示した。
消費税還付は、事業者が商品を販売する際に受け取った額より、仕入れの際に支払った額が多い場合、その差額が国から払い戻される制度。この制度を悪用し、仕入れを過大に申告するなどの手口で、不正に還付を受ける事案が増加している。税務調査の結果、同種案件で追徴課税された金額は、去年6月末までの1年間に、全国でおよそ34億円に上り、刑事事件に発展したケースもあるという。
例えば昨年告発された近隣国企業では、日本国内で仕入れた商品を輸出すると、仕入れ時に消費税を支払う一方で、輸出先からは消費税を受け取れない。そのため税務署に申告すると、仕入れでかかった消費税分が還付されるといった仕組みを悪用していたという。東京国税局は、対応する担当官を大幅に増員するなどして、未然防止のための啓発や税務調査の態勢を強化する方針。
■参考:NHK|消費税の不正還付相次ぐ 東京国税局が対策本部設置|
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220930/k10013844031000.html