釈明権行使抜きの判決は違法 原判決破棄、差し戻し―最高裁

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権利能力のない社団であるX(上告人)が提起した建物の共有持分権確認請求訴訟において控訴審がXの請求につき共有持分権の構成員全員への総有的帰属の確認を求める趣旨か否かについて釈明権を行使することなく棄却。

最高裁はこのことに違法があるとして原判決を破棄、高裁に差し戻した。建物は建築時にXと被上告人を含む3町内会の間で3町内会の共有とする旨の合意がされた旨、Xが主張。第1審は請求を認容。被上告人が控訴。原審は、本件請求は共有持分権がX自体に帰属することの確認を求めるもの。権利能力のない社団であるXが所有権等の主体となることはできないとして請求を棄却。

最高裁は▽第1審・原審においてXが所有権等の主体となり得るか否かが問題とされることはなかった▽権利能力のない社団がその名において取得した資産は、構成員全員に総有的に帰属するという判例がある。当事者双方が判例に立っていたとはうかがわれない―と指摘。本件は共有持分権が上告人の構成員全員に総有的に帰属することの確認を求める趣旨に出るものと解する余地が十分にあり、原審は、上告人自体に帰属することの確認を求めるものとして直ちに棄却するのではなく、上記趣旨に出るものか否かについて釈明権を行使する必要があったと説示した。

■参考:最高裁判所|建物の共有持分権確認請求訴訟において控訴審がXの請求につき共有持分権の構成員全員への総有的帰属の確認を求める趣旨か否かについて釈明権を行使することなく棄却したことに違法があるとされた事例(令和4年4月12日・第三小法廷・破棄差戻)|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91095