解雇を安易に考えると大きなトラブルに

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業務外の時間に起こした事件を含む不祥事を理由に、社員を解雇するケースがある。不祥事=解雇と考える経営者も少なくないが、不祥事の内容や退職についての当事者の同意など、事例によって慎重な判断が必要となる。社員が逮捕される案件も頻発しているが、問題となるのは本人が否認している場合や程度が軽微な場合。このようなケースで、逮捕された又は書類送検されたようなタイミングで解雇すると後々大きなトラブルになりかねない。

18歳未満の女性にみだらな行為をして逮捕された高校の教員を諭旨解雇した学校が解雇無効の訴えを起こされていた裁判で、解雇無効の判決が言い渡された。教員は逮捕されたものの、嫌疑不十分で不起訴となっていた。

痴漢の冤罪事件などでもそうだが、逮捕された事実だけを理由に一気に解雇という判断を下すと思わぬトラブルになりかねない。仮にその後の裁判で冤罪であるとされれば、そもそも解雇される理由もなかったということになる。「逮捕されるような社員には在籍してほしくない」という感情的な理由は当然通らない。解雇の有効性を争うとなれば、裁判費用もかかる上、長期化しがちだ。事案の進展具合の確認、本人との折衝等、慎重な対応が求められる。